樹状細胞プラットフォーム

樹状細胞(免疫)制御による疾患治療

樹状細胞は体の免疫反応の制御を担う指揮者で、細菌やウィルスの進入を感知するためのセンサーを持っています。このセンサーは異物を認識することで樹状細胞を活性化します。活性化された樹状細胞は様々な免疫担当細胞に感染防御の指令を出して、感染(異物)から体を守ります。

当社が開発している樹状細胞制御に基づいた創薬は、従来の医薬品と比較して非常にユニークです。樹状細胞は細菌などの外来からの異物を感知し、様々な免疫担当細胞に感染防御の指令を出す役割を持っています。免疫細胞はがん細胞を異物とみなす一方で、自己の細胞は攻撃しないので樹状細胞制御医薬は副作用が低いことが期待されます。

自己免疫疾患では既存療法はステロイド系抗炎症薬等によりすべての免疫反応を抑制するのに対して、樹状細胞制御薬は病態の悪化に関連する免疫細胞のみを標的とすることができます。
また、既存医薬品と作用機序が異なるため既存医薬品との併用による効果の増強や、既存医薬品の投与量の減量を行うことによる、副作用の低減効果などが期待できます。

がん細胞は自分の細胞から生じたものですが、その生理活性が基の細胞と異なっていることから異物として免疫系に認識されるため、樹状細胞を制御して免疫系を活性化させればがんの治療ができます。逆に自己免疫疾患は免疫系が過剰に反応している状態なので、樹状細胞を抑制すれば自己免疫疾患の治療ができます。

樹状細胞(免疫)制御による疾患治療は、前述のように、副作用が低いことが期待される、既存医薬品との併用による効果の増強が期待できる、既存医薬品の投与量の減量を期待できるなどのメリットがあり、かつ、既存の医薬品とも作用機序が大きく異なることから、既存の医薬品に不応な疾患、または既存の医薬品が使用できない患者に適用可能であると考えられ、開発のトレンドとなりつつあります。当社は樹状細胞(Dendritic Cell、DC)のサブセットであるmyeloid DC (mDC)plasmacytoid DC (pDC)のうち、特にpDCを制御することにより、がんや自己免疫疾患の新しい治療法の確立を目指しております。現在、pDCの制御を行う抗体医薬とTLR(樹状細胞上の異物センサー)を標的としたDNA核酸医薬の開発に注力しております。

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